「三つ児の魂百まで」について、2回に分けて考えてみました。

はじめに「魂」を調べてみます。

『字統』(白川静)によると、

魂は、「云(うん)」と「鬼(き)」から形成された文字とあります。

 

まず云は、雲の初文で雲気の象とあります。

雲です。

雲気のたなびく下に、竜が尾を巻いている姿がみえる形とあります。

のちに雨を加えて雲になりました。

 

続いて、鬼です。

鬼とはもと人屍の風化したものを称する語であるとされます。

普段、我々が思い浮かべる角のある鬼(おに)ではありません。

 

魂は雲気となって浮遊すると考えられていたとのことです。

古い字を眺めてみると、横たわる死体から雲が出ているように見えてきます。

 

魂の字には、魂を宿す過程よりも抜けていく過程に意味が込められているようです。

 

さて、遠回りになりましたが「三つ児の魂百まで」を『広辞苑』で調べてみました。

「幼い時の性格は老年まで変わらない」とあります。

 

次回は脳の成長をふまえて、鍼灸師の視点で考えてみたいと思います。