先日、腰痛を訴えつつ疲労回復で来院した患者さんのお話です。(掲載への了承を得ています)

腰痛と疲労回復の治療をひと通り終えようとしていたところ、患者さんが最後に目の疲れと痛みを訴えました。

目の周りのツボへ浅く鍼をし、手指の親指と人差し指の間にある「合谷(ごうこく)」というツボへ灸頭鍼という治療をしました。

「どうして、ここのツボ(合谷)へ治療をしたのか?」

「最近、手指の親指と人差し指の間が痛くて、痙攣することもある。湿布を貼ったり、薬を塗ったりしている。効果は無いのだけれど・・・」このような質問を受けました。

合谷を選んだ理由は幾つかあります。

1つは、東洋医学では目と合谷がつながっているので、合谷というツボを使ったということがあります。

また、合谷の辺りに反応が出ていた。見るからに腫れぼったかったということもあります。

学校の教科書にも記載され、国家試験にもよく出題されるのですが、ツボの格言の様なものに「面目(目)は合谷に収む」というものがあります。目の症状が合谷の辺りの反応に出ることが多いということもあります。

合谷へ刺激を与えると目の周りの血行が良くなるということも分かっています。

わき道にそれますが、美容鍼では必ずと言っていいほど合谷へ鍼をします。目がパッチリ、はっきりとします。

 

患者さんから話を伺うと最近、仕事の都合上SNSを1日2時間以上行い、目を酷使しているとのことです。

SNSの疲れが、目を疲れさせ、合谷への反応として出ていたようです。

 

治療を全て終えると、患者さんは身体の疲れがとれただけでなく、目がスッキリしたと言っていました。

最後に、自宅でできるお灸を勧め、合谷へお灸をしてもらうことにしました。