先日、家族で群馬県に旅行へ行き、前橋市に住む師匠の礒田先生に会ってきました。

腰が少し痛いということでしたので、先生へ治療をしました。

写真では、腰へ鍼とお灸の治療をしていますが、実際は腰だけでなく手足、お腹、首、肩等も含めた全身治療をしました。

普段、私は鍼灸院では全身治療をしています。なぜ全身治療をしているかというと、東洋医学では身体を点で捉えず、経脈という線(面)で捉えている。身体は上と下、内と外、右と左のように複合的に関わり合いつながっている。局所だけ治しても、別の箇所に症状が出てきてしまう等々。理由は幾つもあるのですが、極論から言えば痛み等の症状のある箇所だけを治すより全身治療をした方が治ると考えているためです。

一方、身内へ治療をする時は、痛い箇所だけの局所治療や1~2箇所のツボだけを使い治療をすることが多いものです。なぜ身内への治療では全身治療をしないかというと、鍼やお灸をしたことに対するツボ一穴の効果を確認しています。治療代をいただく普段の患者さんにはできないことを試しているからです。この考え方は師匠の村田先生から教わりました。料理屋さんのまかない飯に近いかもしれません。

鍼灸師の仕事は治療院内で完結しません。師匠や身内への治療などを含め生涯学び続けていかなくてはなりません。その様な私に帰り際、礒田先生は治療院の本棚に並ぶ年季の入った書籍を渡してくれました。