明けましておめでとうございます。

今年も元旦の新聞を各紙読み比べてみました。
一面です。

読売新聞「日韓レーダーを接続」

産経新聞「民主主義の形 民主主義守る闘いは続く」

日本経済新聞「Next World分断の先に グローバル化 止まらない」

朝日新聞「灯 わたしのよりどころ 誰もが孤独の時代 人間性失わないで」

毎日新聞「平和国家はどこへ 日台に軍事連絡ルート」

東京新聞「まちかどの民主主義 協同労働」

 

今年の新聞を読んだ感想は、なんだか世の中「きな臭い」感じだなと印象を受けました。
「きな臭い」とは広辞苑では、「戦いや物騒なことが始まりそうな気配である」と書かれていました。
欧州では戦争が始まり、中国が台湾を狙っていたりという背景があります。

昨年2月のロシアによるウクライナ侵略は衝撃でした。
まさか自分の生きているうちに第2次世界大戦後に構築されてきた国際秩序が壊れるような戦争が起こるとは思いもよりませんでした。
今、世界では教科書に載るような歴史的なことが起きています。

我々の生活、身近なところの影響について考えてみました。
供給サイドの費用が上がる「コストプッシュインフレ」が日本でも起こると思います。
戦争の影響で物を作る原材料費や輸送費が上がるので商品の価格に費用が転嫁され、結果的に商品の価格が上がると思います。
また、物の価格が高止まりすると思います。

エネルギー価格である原油価格等や輸送費である海運会社の船賃は落ち着いてきました。
しかし、燃料の調達先や工場を置く国の地政学リスクも考慮しなくてはならないことからインフレの方向に向かうと思います。

円高が進むと輸入される物の価格は下がりますが、円高基調でも吸収しきれずに身近な商品の値上げが続くような気がします。

特化や比較優位という現在の世界経済の基本的概念、システムが働きにくくなってしまうのではないかと危惧しています。
我々が恩恵を受けている世界経済の仕組みは「平和」を前提に成り立つものです。

突然、鍼灸師が経済の話を始めたので、どうしたのかと思うかもしれません。
私は鍼灸師として人の身体に鍼や灸をして病や症状を治療する毎日を送っていますが、大学は経済学部を卒業しました。
卒業から約四半世紀経ち理解力も若い頃に比べると落ちましたが、まだ経済が好きなのです。

当時、奨学金を借りて大学に通いました。
奨学金は10年以上前に完済しましたが、親からは授業料をだしてもらうことはありませんでした。
働きながら学んだ経済学は楽しかった思い出です。
今でも物事の思考は、経済学的な部分が強く残っています。

また、恩師は学び続けることを説いていたことから、現在も経済的な視点を捨てないようにしています。
二十歳から日本経済新聞を読み続けたり、元旦に各紙の新聞を読んでいるのも恩師からの言葉が影響しています。

一方昨年、ミヒャエル・エンデの『モモ』という児童書を読みました。
時間泥棒の話でしたが、効率重視の資本主義について考えさせられる本でした。
資本主義は万能ではないという視点です。
訳者の「大島かおり」さんは、どうやら恩師の奥さんでした。

今回は、まとめも落ちもありません。
思いついたことを書きました。

皆さまご養生、ご自愛ください。